2025.05.23
カテゴリ: 新作
ルイ・ヴィトン 新作ポケットウォッチ「エスカル・アン・アマゾニ」、メゾン史上最も複雑なタイムピースを公開


ルイ・ヴィトンは、卓越したウォッチメイキングのサヴォアフェール(匠の技)と大胆な創造性の伝統を継承し、新作ポケットウォッチ「エスカル・アン・アマゾニ」を発表しました。このタイムピースの着想源は、アマゾンの熱帯雨林が織り成す緑豊かな風景です。
「エスカル・アン・アマゾニ」は、旅と冒険へのオマージュとして、精巧なオートマタとミニッツリピーター機構を組み合わせ、これまでの限界を超えたメティエダール(芸術的な手仕事)を取り入れています。メゾン史上最も複雑なこのウォッチは、ジュネーブに拠点を置く「ラ・ファブリク・デュ・タン ルイ・ヴィトン」によって製作されました。このマニュファクチュールは、ケース製造の「ラ・ファブリク・デ・ボワティエ」、ムーブメント部品製造の「ラ・ファブリク・デ・ムーヴマン」、ダイアル製造とメティエダールを担当する「ラ・ファブリク・デ・ザール」など、専門技術を持つアトリエを統合し、完全な自社製造体制を確立しています。
今回発表された「エスカル・アン・アマゾニ」は、ルイ・ヴィトンのウォッチメイキングの卓越性と魅力的な表現を象徴するユニークピースであり、メゾン独自の旅の真髄を見事に体現しています。
「エスカル・オートゥール・デュ・モンド」コレクションの第一作となるこのポケットウォッチは、アマゾンの熱帯雨林をデスティネーションとし、滝や岩に覆われた地形、瑞々しく生い茂る草木、野生動物の豊かな生態など、息を呑むような景観をダイアル上に再現しています。6時位置に配されたパーツが動きながら展開する小さな物語には、ルイ・ヴィトンのトランクを積んだ木製の長いカヌーが登場し、青々とした葉の間をすべり抜けるにつれて、トランクがゆっくりと開き始めます。
出現したゴールドカラーのモノグラム・フラワーに、楽しげで好奇心旺盛な野生動物たちが興味を示します。2羽のオウムは頭と翼を傾け、ヘビは頭と尾を揺らし、サルは大ぶりな葉を掴みながら辺りを見渡しています。12時位置では、独自のペースで回転する立体的なゴールドカラーの羅針盤がこの場面を取り仕切っています。ダイアルには7つのアニメーションが配され、それぞれの独自の動きとペースに合わせて揺れる合計15個の動くパーツが、自然の美しさを際立たせています。

ポケットウォッチを讃えて
これまで、ルイ・ヴィトンのポケットウォッチはスペシャルオーダーによってのみ提供されてきましたが、メゾンは今回、初となるポケットウォッチのコレクションを発表しました。そのデビューを飾るピースが、この「エスカル・アン・アマゾニ」です。
新しい「エスカル・オートゥール・デュ・モンド」コレクションは、スタイルにおける新たな領域を探求し続けるメゾンの精神にインスピレーションを得ています。その試みの軸となっているのは、メゾンで受け継がれてきたトランク製造のヘリテージと、プロの荷造り職人からトランク製造職人へと転身した創業者ルイ・ヴィトン自身に根付いたサヴォアフェールです。信頼性と機能性、上質な素材と比類なき職人技により手作業で作られたルイ・ヴィトンのトランクは、広々とした川や海から遥か彼方への冒険まで、アイコニックな目的地へと向かう旅人たちに寄り添うようデザインされています。
1854年の創業以来、ルイ・ヴィトンのトランクは常に旅と冒険の象徴としての役割を担い、その歩みとともに輸送手段の進化や革新を反映してきました。列車や自動車の旅に最適化された設計にとどまらず、折り畳むことでベッドとしても使用可能なトランクや、熱気球への取り付けに対応するバスケット型など、時代の先端を行く探検者や旅人たちにとって不可欠な存在であり続けてきました。


スタイリッシュな旅を愛する人々のためにトランク製造の技術を高め続けるという精神は、新たに展開されるポケットウォッチ「エスカル・オートゥール・デュ・モンド」コレクションにも息づいています。各ウォッチのダイアルには、ミニアチュールとして丁寧に手作業で作り上げられたルイ・ヴィトンのトランクが配置されており、さらに12時の位置には回転する羅針盤が設けられ、大胆な旅人を導く象徴的なモチーフとなっています。加えて、各ダイアルには1種類の移動手段が表現されています。
この「エスカル」ポケットウォッチのケースもまた、ルイ・ヴィトンならではの革新的な技術とトランクへの敬意を見事に形にしたデザインが施されています。自社内のケース製造アトリエ「ラ・ファブリク・デ・ボワティエ」にて製作されたケースには、ダイアルを取り囲むようにして60個のバゲットカット宝石──エメラルド、ツァボライト、トルマリン、イエローサファイア──がセットされており、精緻なグラデーションによって視線を惹きつける輝きを放っています。その存在はまさに、最も貴重なものを守るためのミニアチュール・トランクそのものといえます。

2つの視点
7つのアニメーションと15個の可動パーツで構成された幻想的な情景に命を吹き込むのは、完全自社開発による手巻きキャリバー「LFT AU14.03」です。このムーブメントは、「ラ・ファブリク・デュ・タン ルイ・ヴィトン」がこれまでに製造した中でも最も複雑な機械式で、1時間、15分、1分単位でチャイムを奏でるミニッツリピーター機構を搭載。さらに、正確性を高めるために発明されたトゥールビヨンも取り入れられており、これら歴史的機構へのオマージュが細部に宿ります。時を示す2本の針はダイアル上ではなくケースバック側に配置されており、これによりアニメーションが展開されるダイアルの世界観を遮ることなく、ポケットウォッチの歴史への敬意もさりげなく込められています。
555個ものパーツから構成され、ダイアル上の可動部にエネルギーを供給するオートマタモジュールを備えたキャリバー「LFT AU14.03」は、ルイ・ヴィトンが誇る最高峰の職人技によって製作されています。このムーブメントの組み立ては一人の時計職人によって最初から最後まで丁寧に行われ、ディテールに至るまで丹念に仕上げが施されています。多くの部品は視認できない場所に巧みに配置されていますが、ムーブメント全体の美しさには一切の妥協がありません。たとえば、646ヶ所におよぶインナーアングルの面取り加工は、ブリッジの縁やホイールの歯にまで及び、光の反射によってパーツの輪郭を際立たせています。中には一つのパーツの仕上げに10時間を要するものも存在します。


香箱の巻き上げ機構や、ブリッジに施された手彫りのエングレービング、さらには数多くのパーツに対する手作業による鏡面仕上げなど、ムーブメントのあらゆる部分が丹精込めて作り上げられています。鏡面仕上げが施される対象には、全てのネジやモノブロック構造のゴング、トゥールビヨンケージ、さらには削り込みと整形だけで3週間を要するラチェットまで含まれます。
またこのムーブメントは、希少性と芸術性を兼ね備える仕様にも注目が集まります。ルビーのセッティングに使用されたプロングには、メゾン初となるイエローゴールドが採用され、トゥールビヨンをつなぐホイールにはソリッドゴールドが用いられています。さらに、ブリッジが露出する上部構造には伝統的なコート・ド・ジュネーブ装飾が施され、針には焼き入れによるブルー仕上げが施されています。この歴史的かつ革新的なムーブメントを完成させるために、組み立てから仕上げに至るまで、延べ500時間という膨大な時間が費やされました。それはまさに、ウォッチメイキングの頂点に君臨する美の結晶といえます。
ダイアル上に広がる緻密に描かれた幻想的な光景と、裏面に施された機械構造の美を讃える彫刻の融合によって、「エスカル・アン・アマゾニ」は芸術作品と見紛うほどの手仕事の技が際立つタイムピースに仕上がっています。それぞれの面に宿る繊細な職人技が、絵画さながらの物語性を演出しています。

メティエダールの限界を押し広げる
ムーブメントに息づく職人技は、ダイアルにおいてもまた驚くべき緻密さで再現されています。特に、画期的なメティエダールによって生み出された表現力豊かな装飾は、数百時間にもおよぶ手作業と、卓越した専門技術が結実したものであり、「ラ・ファブリク・デュ・タン ルイ・ヴィトン」が芸術の限界をさらに押し広げようとする情熱と献身の証でもあります。
このクリエーションにおいて鍵となるのは、浅浮き彫りを通じて命を吹き込むエングレービングの妙技です。可動するパーツ一つ一つに、リアルかつユーモアを感じさせる表情を持たせているのは、「ラ・ファブリク・デ・ザール」の職人が金箔の上に巧みに施した手彫りの技術によるものです。その繊細な彫刻が、ダイアルに立体感と奥行きを与えています。
たとえば1センチにも満たない小さなヘビのモチーフには、数百もの鱗を細かく彫り込み、爬虫類特有の関節や動きまでも精緻に表現しています。羽根が風に揺れるような描写のオウムは、今にも飛び立ちそうな足元の爪にまで神経が行き届き、自然の一瞬を見事に捉えています。中でも最も再現が難しかったのは宝物を載せたカヌーで、木の皮の質感を徐々に引き出すために異なる深さでゴールドを彫刻し、職人の熟練を要しました。これらの製作には合計140時間を費やし、それぞれのパーツは軽量かつ自然な動きを実現するため、繊細に設計されています。
ダイアルに展開される自然の物語と共鳴するもう一つの要素が、彫刻された「エスカル」のケースです。アマゾンを思わせるグラフィックなモチーフが手作業で丹念に削り出されており、このエングレービングの完成には、合計60時間にも及ぶ職人の労力が注がれました。


並外れたエナメルの技術
このモデルには、ミニアチュールエナメルとパイヨンエナメルという2種の伝統的な技法が用いられており、「ラ・ファブリク・デュ・タン ルイ・ヴィトン」がメティエダールの創造的限界に挑戦し続ける姿勢を明確に示しています。
最初に立ちはだかった課題は、アマゾンの壮麗な自然を正確に描写するために最もふさわしい色調を選定することでした。31種類におよぶグリーン、ブルー、ブラウン、ホワイトなどの色彩が選ばれ、さらに光を透過する特性に優れた半透明、不透明、そして虹色を思わせるオパール調のエナメルが、その色の広がりと輝きを一層高めました。加えて、ダイアルに忠実な色彩を再現するには、焼成工程をおよそ30回繰り返す必要があり、そのたびに破損のリスクを伴いながらも、鮮やかな発色を得るための試行錯誤が重ねられました。
滝の流れを思わせる視覚効果を生み出すために、ミニアチュールエナメルはホワイト、グリーン、ブルーの豊かな色彩を絶妙に重ねて用いられ、ダイアルの背景を彩っています。霞がかかったような滝の表情を、エナメルアートの限られた技法で表現することは極めて困難で、職人たちの卓越した技量を要します。また、ヤシの木についても複数の色調を駆使して描写されており、ダイアルに深い奥行きと広がりを与えています。
もう一つの精緻な技法は、ダイアル全体に施されたパイヨンエナメルです。これは、それぞれのモノグラム・フラワーモチーフやミニアチュールの細部に至るまで、薄くて破れやすい金箔を一片ずつ丁寧に配するという高度な作業を伴います。途切れのない仕上がりが求められるダイアルの他のグラフィック要素にも同技法が適用されており、特に川のゴールドカラーの輝きと透け感は、このパイヨンエナメルの技法ならではの表現です。


ヘビやサル、カヌーなど、ダイアル上で動きを見せるアニメーション要素に命を吹き込むのもミニアチュールエナメルです。非常に小さなパーツに施されるため、わずかな厚みの違いや垂れによって本来の動作を妨げないよう、極めて繊細な技術が求められます。たとえばサルの表情は、7色のエナメルが正確に塗り重ねられたことにより、自然な厚みと光沢を持ち、カボションのような立体感とともに、表情の細かなニュアンスを際立たせています。
オウムに施された彩色は、鮮やかなレッドを含む幅広いエナメル色の使用により、非常に高い集中力と経験が必要とされます。レッドは特に傷付きやすく、取り扱いが難しい色とされているため、作業の難易度がさらに高まっています。加えて、葉の上に繊細な葉脈を表現するためには、半透明のエナメルを5層にわたり塗り重ねる技法が求められました。ヘビの描写にも、4層のエナメルを使った微妙な色のグラデーションが用いられ、緻密な描写が実現されています。
革新を象徴する試みとして、「エスカル・アン・アマゾニ」では、サファイアガラスにも初めてミニアチュールエナメルによる装飾が施されています。立体的な構成を意識したこの技術では、ガラスの表面に描かれた鮮やかな緑の葉がダイアルの奥行きと複雑さをさらに高めています。特にこの技法では、一度焼成すれば色が定着するため、エナメル職人には初筆で完璧な描写を仕上げる精密さが求められ、繊細さと集中力が問われます。
エクスクルーシブなレザーの付属品
㉗「エスカル·アン·アマゾニ」のストーリーを締めくくるのは、このウォッチ専用に作られ、ルこの作品の物語を締めくくるのは、専用に製作されたルイ・ヴィトンのレザーグッズです。ポケットウォッチに取り付けるためのゴールドチェーン、オーダーメイドのトランク、そして1906年頃の自動車旅行時代のアーカイブから着想を得たドクタースタイルのバッグがセットになっています。このバッグはウォッチを正面中央に配する設計で、「エスカル・アン・アマゾニ」に合わせて特別にデザインされ、トランクと共に稀少なグリーンレザーで仕立てられています。
メゾン史上最も複雑な構造を持つ「エスカル・アン・アマゾニ」の完成までには、時計職人、彫金師、エナメルアーティストなどの手によって、延べ1,000時間以上の製作工程と2年半に及ぶ時間が費やされました。「エスカル・オートゥール・デュ・モンド」コレクションにおけるこの作品は、芸術性と技術が共存する唯一無二のキャンバスとして、ルイ・ヴィトンのマニュファクチュール「ラ・ファブリク・デュ・タン」に新たな歴史を刻む最も刺激的な章の幕開けとなります。

ユニークピース
ムーブメント
• キャリバーLFT AU14.03:「ラ·ファブリク·デュ·タン ルイ·ヴィトン」で開発、組み立てられた手巻き の機械式ムーブメント
• 機能:7つのアニメーションを配したジャックマール機構、ミニッツリピーター、トゥールビヨン、 時、分
• 部品数:555
• パワーリザーブ:8日間
• 振動数:21,600回 / 時(3Hz)
• 石数:72
ケース
• サイドにダイアルのストーリーを反映したモチーフのエングレービングが施された18Kホワイト ゴールド製のケース
• カラーストーンをセットした18Kホワイトゴールド製のベゼル
• 18Kホワイトゴールド製のリューズとサスペンションリング
• 直径:50.0 mm
• 厚さ:19.0 mm
• エナメルと反射防止加工済みドーム型サファイアクリスタル
• 防水:30 m
ダイアル
• ハンドエングレービング(サル、葉、オウム、ヘビ、羅針盤、カヌー、トランク)
• パイヨン、ミニアチュールを用いた手作業によるエナメルダイアル
ストーン
• 60個のバゲットカットのプレシャスストーンとカラーストーン 3.85カラット(エメラルド31個、ツァ ボライト13個、トルマリン11個、イエローサファイア5個)
バッグとトランク
• エキゾチックレザー製のハイウォッチメイキング用のスペシャルバッグとトランク
チェーン
• 18Kホワイトゴールド製
BRAND SEARCH
CATEGORY
ABOUT
「BRANDJOY.JP」はラグジュアリーブランドなどの最新動向に関連するニュースをセレクトしてお届けしています。新作やコレクションを中心に、新規オープン、ビジネス・業界情報をまとめてチェック。