2025.05.22
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グッチ GUCCI 2026年クルーズ コレクション、パラッツォ・セッティマンニで繰り広げられた新たな物語
2025年5月15日(現地時間)、グッチが2026年クルーズ コレクションをフィレンツェにて発表しました。ブランドの創設地として知られるこの街は、クラフツマンシップと商業の伝統が今なお息づいており、今回のコレクションとファッションショーにおいて、極めて象徴的な舞台となりました。1921年に誕生したグッチが、ラテン語で「花開く」を意味する名に由来する“永遠の春の都”フィレンツェから受け取ってきたインスピレーションは、今も途切れることがありません。フィレンツェはファッション文化の核であり、イタリアの精神そのものを体現する存在です。幾重にも重なったその歴史は、未来への礎として機能し続けています。
グッチは、個性を大切にしながら普遍性をも追求するブランドとして、ウェアやアクセサリーのコレクションを通じて、独創的なスタイルを世に送り出してきました。そのクリエイションは、時代ごとの変化を取り込みながら、常に進化し続けています。グッチにとって「タイムマシン」とも言える存在が、15世紀に建てられたパラッツォ・セッティマンニです。グッチ アーカイブの収蔵場所として知られるこの建物は、過去・現在・未来を有機的につなぐ場であり、ブランドの物語を継続的に紡ぎ出す重要な拠点となっています。



2026年クルーズ コレクションが発表されたパラッツォ・セッティマンニでは、グッチのアーカイブが持つ豊かな歴史とフィレンツェの文化が、ミニマルから華やかなスタイルまでを自在に往来するユニークな形で表現されています。異なる時代のファッションが交錯し、数世紀にわたる素材の美学がパッチワークのように再構築されています。中世より織物産業で知られるフィレンツェでは、ブロケードやジャカード、シルク、ベルベットなどの高級素材が巧みに用いられています。レースは多層に重ねられ、ラインストーンが装飾を加え、刺繍が細部にまで施されることで、歴史の厚みが表現されています。

コレクション全体を通じて、GGパターンが随所にちりばめられ、シングルGのモチーフも新たな解釈を加えられて登場しました。ベルトのバックルや装飾、シューズのヒールなどに取り入れられ、その存在感を際立たせています。ウェアは、構築的なショルダーラインとオーバーサイズのフォルムが際立つ一方で、全体にはスリムで柔らかなシルエットが描かれ、昼から夜への移り変わりに対応する洗練されたスタイルを実現しています。

グッチの象徴であり原点でもあるレザーグッズは、ブランドのアーカイブから着想を得たアイコニックなデザインを継承しながらも、より柔らかでカジュアルな印象のフォルムへと進化しました。ハーフホースビットのディテールやバニティバッグ風のデザインが加わり、手に取りやすく日常に寄り添うアイテムとして再解釈されています。

新作バッグ「グッチ ジリオ」は、フィレンツェに敬意を表して誕生しました。中世より受け継がれてきたこの街の紋章であり、イタリア語でユリを意味する「ジリオ」をモチーフとしたデザインは、ファッションショー終了と同時に販売が開始されます。

グッチのレザーグッズに息づくクラフツマンシップの精神は、ポメラートとの協業による新作「モニリ」ハイジュエリー コレクションにも受け継がれています。「ジュエリー」を意味するイタリア語に由来するこのコレクションでは、1984年のポメラートのアーカイブをベースに、レザー、ゴールド、そしてパヴェダイヤモンドを融合させたネックレスとイブニング バッグが登場しました。ショーで披露されたこれらの作品は、細部へのこだわりと職人の高度な技術によって、その美しさを際立たせています。
今回のクルーズ コレクションとサロン形式のショーには、「sprezzatura(スプレッツァトゥーラ)」という美学が根底に息づいています。完璧さの中にあえて自然体の余白を残すというこの考え方は、ルネッサンス期の宮廷文化に由来し、グッチが創設時から貫いてきたライフスタイルの哲学でもあります。映画のように壮大でありながら、個々の個性を際立たせるグッチの美意識は、時代やスタイルに応じて柔軟に変化しつつ、今回のコレクションにも鮮やかに表現されています。
今回のファッションショーでは、従来のようなフィナーレは行われず、モデルたちはランウェイからそのまま屋外へと歩を進め、街と一体化するかたちでショーが締めくくられました。グッチがこれまで数多くの着想を得てきたフィレンツェへの敬意を込めた演出であり、ブランドはこの街と再び強く結びつき、新たな旅をここから始めています。「Gucci is Florence, and Florence is Gucci(グッチはフィレンツェであり、フィレンツェはグッチ)」。この物語は、今後も終わることなく続いていきます。
会場には、イ・ジョンジェ、ジャン・ハオ、ジュリア・ガーナ―、ポール・メスカルなどのセレブリティが来場しました。




Courtesy of Gucci
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