2025.03.06
カテゴリ: コレクション
フェンディ 2025-26年秋冬 ウィメンズ・メンズコレクション、時を超えたエレガンスと大胆な創造の邂逅
ミラノにあるフェンディのオフィス(所在地:Via A. Solari 35, Milan)にて、アクセサリーおよびメンズウェア部門のアーティスティックディレクターであるシルヴィア・フェンディ(Silvia Venturini Fendi)によるフェンディ2025-26年秋冬ウィメンズ・メンズコレクションが発表されました。
シルヴィア・フェンディは、過去を振り返りながら未来へと進む中で、遊び心あふれる深い記憶を呼び覚まします。1925年にローマで彼女の祖父母であるエドアルド・フェンディ(Edoardo Fendi)とアデーレ・カーサグランデ・フェンディ(Adele Casagrande Fendi)によって創業されたメゾン、フェンディ。その5世代、100年にわたる歴史を称えます。
100周年の幕開けを飾るこの壮大なファッションショーに際し、シルヴィアは次のように語りました。「フェンディは未来を想起させます。物理的なアーカイブを深く掘り下げるのではなく、私にとって『フェンディ100』とは、現実または想像の中でフェンディが何であったか、そして今のフェンディが持つ意味について、自身の記憶を巡ることなのです」。
新たに生まれ変わったミラノのショールームは、まるで蜃気楼のように、ローマのボルゴニョーナ通りにあるフェンディのブティックとアトリエの歴史的なサロンを映し出します。そこでは、フェンディ家の2代目にあたる5人姉妹、アルダ(Alda)、アンナ(Anna)、カルラ(Carla)、フランカ(Franca)、パオラ(Paola)が共に働き、そして遊んでいました。木製パネルが施された両開きの扉をくぐると、豪華なカーペット、ディヴァン、シャンデリアが織りなす優雅な空間が広がり、日中はアルタ・サルトリア(高級仕立て服)を求める顧客を、夜にはチネチッタの華やかな社交界の人々を迎えていました。フェンディの代名詞ともなったグラマラスなエッセンスは、こうして時を超えて受け継がれ、自由に流れていったのです。
フェンディは、ハンドバッグと高級ストールを提供するブランドとして誕生しました。その歴史はシルヴィア・フェンディによって新たに紡がれ、メゾンの1世紀にわたる歩みがそこに映し出されています。アイロニーとユーモアが静寂の中に息づき、ローマの厳格なエレガンスが官能的な表現に溶け込む、フェンディならではの発想が随所に見られます。ウィメンズとメンズのコレクションでは、伝統的な仕立て技術とイタリアの洗練が、大胆な解釈によって交差し、服が人格を持ち、人格が服となるかのような世界観が広がります。
オープニングのルックでは、プリミティブなテクスチャーが視覚的な錯覚を生み出します。高めの襟が特徴的なフレアコートは、上質なゴールドのベルトでウエストを引き締め、ドレスのようにまとうデザイン。これまで最高級のファーにのみ用いられてきたインターシャ、ハニカム、ゲロナート(Gheronato)パッチワークの技法が、ここではフォックス、ミンク、セーブルを模したシアリングに施されています。サテンのバルザスカートやフリルをあしらったコロラジャケット、丸みを帯びた袖には、永遠の象徴である砂時計のシルエットが反映されています。
マーブル模様のプリーツとリブ編みのニットドレスは、カールレタスのようなヘムラインを生み出し、イールとラムレザーのパッチワークがAラインのシェブロンスカートへと広がります。ローカットのメンズコクーンコートは、隠しマーチンゲールが施され、オペラの舞台のような効果を演出。コレクション全体のカラーパレットは、月桂樹、フォレストグリーン、グラファイト、チョコレート、ペトロールブルーといった落ち着いたトーンから、燃える夕日を思わせるシナモン、テラコッタ、バブルガム、バターミルク、スカーレット、ダスティローズまで、夕暮れ時のローマを彷彿とさせる色彩へと移り変わります。
100年にわたるフェンディのスタイルを振り返る中で、テーラリングの技術は、ブレスレットスリーブのブレザーとストーブパイプフレアによって、その頂点を極めています。ボイルドウールコートは、コントラストの効いたサテンの裏地で脱構築され、イタリアのパワードレッシングを象徴するトレンチコートは、ラムスキンのゆったりとしたシルエットで仕立てられるか、プリーツタフタのスカーフカラーが添えられています。メンズバッグには、パウダリーな色調のウールがあしらわれています。
フェンディのシアリングストールは、ウィメンズとメンズの両コレクションにおいて、仕立てられた襟として活用され、ジュエルトーンのカーディガンや繊細なランジェリードレス、ジョーゼットブラウスの上に重ねることで、重厚なコートの風格とショールの軽やかさを同時に体現しています。また、フェンディのアトリエが誇るレザーの技術は、ディアスキンとスエードのリバーシブル仕様の「セレリア(Selleria)」コートや、プリントではなく精巧な幾何学模様のインターシャで仕上げたオプアートコートに、その卓越した職人技として表れています。
波打つようにキルティングされたサテンスカート、流れるようなドレープが美しいビショップスリーブ風のドゥシェス、チェックのブークレに煌めくミラーとクリスタルの刺繍。ローマの夜を思わせる魅惑的な世界は、マットな質感と光沢のコントラストの中で展開されます。カシミアのツインセットやピンストライプのシュミーズにはシャンティイレースがあしらわれ、ジェンダーの境界を曖昧にするアクセントに。一方、チュールのフリンジとフィンガーネイルスパンコールが施されたイブニングアンサンブルは、フェンディの職人技が光るミッレフォッリエ(millefoglie)技法によって仕立てられ、贅沢でありながらも空気のような軽やかさを纏っています。
フェンディ2025-26年秋冬アクセサリーコレクションは、レトロフューチャリズムの視点からメゾンのシグネチャーを再解釈し、色彩と洗練が交錯する万華鏡のような世界を創出しました。モダニストの視線をも惹きつける新作「フェンディ ジャーノ(FENDI Giano)」は、ツイストしてカチッと開閉する独特の機構を備えた月形バッグ。クラッチからショルダーバッグまで展開されるこのデザインは、ツートンカラーのカーフスキンで仕立てられ、「フェンディ スクワレル(FENDI squirrel)」のエンブレムとヤーヌス神(Janus)の肖像が両面に施されています。
2005年に登場した「フェンディ スパイ(FENDI Spy)」バッグが、ソルベカラーのシアリングとツイストハンドルを取り入れたディコンストラクションデザインで再登場。メゾンの永遠のアイコンである「ピーカブー(Peekaboo)」や「バゲット(Baguette)」と肩を並べます。シアリングインターシャやディスコスパンコール、フルーティドスエード技法が施された「マンマ バゲット(Mamma Baguette)」と「ピーカブー ソフト(Peekaboo Soft)」は、豪華でありながらも触れた瞬間に心地よさを感じるデザイン。一方、「バゲット」はレオパードウォータースネークやミラーエンブロイダリーによって、まばゆい存在感を放ちます。
メンズラインでは、新たに「フェンディ ルイ(FENDI Lui)」のソフトジップダッフルと、「クオイオ ローマ(Cuoio Romano)」レザーに「FF」ロゴメタルをあしらった柔らかなホーボーバッグが登場。さらに、「フェンディ マキシ チャーム(FENDI Maxi Charm)」のキャラクターがコレクション全体に散りばめられています。このチャームは、フェンディのファブリックをアップサイクルして作られ、卓越した職人技と創造的なサステナビリティを体現しています。
フットウェアでは、サテンとイールを使用したトロンプルイユブーツやピープトゥスリッパが登場。スリムウェッジや控えめなポリッシュメタルが施されたフックドヒールがアクセントに。メンズでは、ワイルドシアリングやソフトラムスキンで仕立てたデザートブーツがラインナップされています。
デルフィナ・デレトレズ・フェンディが手掛けた2025-26年秋冬ジュエリーコレクションは、ファーのような質感をもつ輝きが特徴的。スネークチェーンのカラーやトランブランブレスレット、シャンデリア「ファウンテン」イヤリング、スターリングシルバーのオベリスクペンダント、そしてメンズの「FF」ロゴボールチェーンネックレスなど、多彩なデザインが揃います。
エディターズノート:
ショーの招待状には、アコーディオン状に折られた台紙が用いられ、「クオイオ ローマ」を「セレリア(Selleria)」ステッチで綴じたフォトアルバムが収められていました。そこには、1964年から1977年にかけて撮影された貴重な写真が収録され、シルヴィア・フェンディの幼少期のポートレートや、1966年に発表されたカール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)の最初のコレクションの一部を垣間見ることができます。
ショーの幕開けは、デルフィナ・デレトレズ・フェンディとニコ・ヴァセラーリ(Nico Vascellari)の7歳の双子、ダルド(Dardo)とタツィオ(Tazio)が木製の扉を開くことで始まりました。彼らは、1967年に7歳のシルヴィア・フェンディが着用した、カール・ラガーフェルドがデザインした乗馬アンサンブルのレプリカをまとって登場しました。
ミシェル・ゴベール(Michel Gaubert)が手掛けたショーのサウンドトラックには、バリー・ホワイト(Barry White)の『忘れられない君(Never, Never Gonna Give Ya Up)』(1973年)をはじめ、オルネラ・ヴァノーニ(Ornella Vanoni)、ミーナ(Mina)、パティ・プラヴォ(Patty Pravo)、フランコ・バッティアート(Franco Battiato)など、イタリア文化に名を刻む伝説的アーティストたちの楽曲が使用されました。
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