2025.02.06
カテゴリ: コレクション
ヴァレンティノ アレッサンドロ・ミケーレによる、2025年春夏オートクチュールコレクションを発表
日本時間2025年1月29日(水)、パリ旧証券取引所。この歴史的な場所で、メゾン ヴァレンティノ(MAISON VALENTINO)は、クリエイティブ ディレクター アレッサンドロ・ミケーレによる初の2025年春夏オートクチュールコレクション ‘ヴェルティジニュー (VERITIGINEUX)’ を発表しました。
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ヴェルティジニュー
リストの詩学
「文化の起源、それはリストです。芸術と文学の歴史の一部であるリスト。では、文化は何を求めているのでしょうか?無限を理解できるようにすること、それが文化の欲求です。常にとは言わないまでも、往々にして、文化は秩序を生み出そうとしてきました。では、人間として、我々は無限とどのように向き合えばよいのでしょうか?掴めないものをどのように掴むことができるのか?その答えは、リスト、カタログ、博物館のコレクション、 百科事典、辞書といったものの中にあります。リストは文化を破壊するのではなく、むしろ文化を創造するのです」
ウンベルト・エーコ『芸術の蒐集』
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<アレッサンドロ・ミケーレからのメッセージ>
人、そして現象。リストの魅力、一覧表に対する好みは、常に人間性の歴史に付随してきました。しかし、一見シンプルに見えるリストの修辞的な姿は、その物語的で詩的な可能性に関して、学者たちによって掘り下げられることはほとんどありませんでした。ウンベルト・エーコは、他の人々とは異なり、ホメロスからジョイス、エゼキエルからガッダ、アルチンボルド、カルヴィーノ、モローまで、芸術と文学を通じた詳細な例を集め、分析しました。その結果、この概念(リスト)の示唆に富む解釈を、現代的な議論の中心へと持ち込んだ人物として、彼は称賛に値すると言えるでしょう。
意味のある枠組みの中に、無限に拡張する存在を閉じ込めようとする試み。それは、宇宙の混沌に秩序をもたらす方法と言えます。主に実用的な機能を果たす一方で、詩を超え、幻想的で美的な、物語風の手段となることもあるのです。遺産や蔵書目録、博物館のアーカイブの編纂といった目的で用いられる一覧表が、時に、言葉では言い表せないものの前に平伏し、渦を巻いて無限を暗示するように。それは、混沌を鎮めるためではなく、むしろそれを熟考することを目的としているのです。
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これら二つの次元は、しばしば共存し、秘密の逢瀬を設けます。「リストは秩序をもたらすと同時に、分散を促します。リストは閉じていることも、開いていることも、静的であることも、動的であることも、有限であることも、無限であることも、秩序だっていることも、無秩序であることもあり得ます。しかし、リストであることを決してやめることはないのです」と、ベルナール・セヴは言います。リストはその二重性により、秩序の手段であると同時に、方向感覚を失う原因にもなり、歓喜と放心状態を生み出すのです。
騒々しく、自由奔放で、強迫観念的なリスト。それによって生み出される特別な感覚、エトセトラの寸前で止まってしまうような感覚を、エーコは「リストの眩暈」と言及し、喚起しています。あらゆる可能性のある目録の未完成な性質から、実際、この眩暈は生じます。なぜなら、エトセトラは、無限に広がる可能性のあるもの、収められないもの、閉じ込められないものの前に、宙吊りの状態を作り出すからです。
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オートクチュールショー、それは私にとって初めての経験。その準備期間中、私を常に支えてくれたのは、これらの考えでした。ふたつとないドレスを想像するよう、私を促したのは、途切れることのない、潜在的に無限にある言葉のカタログ、ユニークで限りある、つまり蓄積と並置によって進む非文法的なリストとして、それらの考えだったのです。48のドレス、それは48のリスト。そこには、物質的な要素と非物質的な要素が共存しています。例えば、測定可能な比率、感情的な糸、絵画的な参照、商品メモ、伝記のようなキルト、映画のような織物、色彩的な配置。さらには、哲学的なステッチ、音楽的な印、象徴的な縦糸、言語的な刺繍、植物の断片、視覚的な原型、歴史的なファブリック、物語風のインターシャ、関係性のある結び目、といったように。
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個性はじける、熱狂的で絶え間ない参照の階層。それは、相互接続された多数の世界を想起させ、すべてのドレスが、関連性を通じて、その世界観を体現しているかのようです。カルヴィーノが「幽霊たちの黄道帯」と呼ぶ、そのようなリスト。それは、すべての糸、すべてのステッチ、すべての色の痕跡が、目に見える範囲を超え、数え切れないほどの言葉へと姿を変える詩学であり、振動し、一覧表の渦の中へと溶けていく、ビジョンの星座なのです。
ありそうもない組み合わせが調和を見出し、さまざまな時代、文化を想起させ、過去の物語の残響が現在に共鳴する、物語のアーカイブ。それは、痕跡を残す生きた地図と言えます。そして、不完全な多様性のめまいへの旅、つまり、組み合わせ、想起、残響が、言葉で表せるものの境界へと一気に展開されるリストなのです。
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