2024.12.20
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ティファニー タイタニック号の記憶を宿す懐中時計が、112年の時を超えて落札され再びメゾンの元へ
タイタニック号に関連する遺品として過去最高額を記録した、1912年製造の歴史的な懐中時計。ティファニーは、英国で開催されたオークションにおいて、この18Kゴールド製の逸品を、197万ドルという記録的な価格で落札し、再びそのコレクションに加えたことを発表しました。
1912年4月、処女航海中に氷山に衝突し沈没したタイタニック号。この悲劇の中、700人近い乗客の救助にあたった客船カルパチア号の船長、アーサー・H・ロストロン(後にサーの称号を授与)へ、タイタニック号の生存者である3名の著名な女性たち、マデリーン・タルメージ・アスター夫人、マリアン・ロングストレス・セイヤー夫人、エレノア・エルキンズ・ワイディーナー夫人から、感謝の証として贈られたのが、このティファニー製の懐中時計です。
G・D・ワイディーナー夫人、これら3名の女性のうちの一人が、この時計を購入したことを示す記録が、ティファニー アーカイブに所蔵されている台帳に残されています。「1912年4月15日、タイタニック号の生存者3名より、心からの感謝と敬意を込めてロストロン船長に贈呈。ジョン・B・セイヤー夫人、ジョン・ジェイコブ・アスター夫人、ジョージ・D・ワイディーナー夫人」ケースバックには、船長のイニシャル「AHR」がエナメル モノグラムで施され、このメッセージが、時計に深く刻まれています。
ロストロン船長にこの時計が手渡されたのは、ニューヨークシティにあるアスター夫人の邸宅で催された昼食会でした。当時、現地の新聞でも報じられたこの会は、タイタニック号の生存者たちが集った、親密で意義深い集いだったのです。
「19世紀半ば以来、世界のラグジュアリーを支える礎となってきた、ティファニーのジュエリーやオブジェ。感謝の想いが込められた特別なアイテムである、このロストロン船長の懐中時計を、再びティファニーに迎え入れることができ、身の引き締まる思いです」クリエイティブ ビジュアル マーチャンダイジング、イベントおよびアーカイブを統括するヴァイスプレジデント、クリストファー・ヤングは、ティファニーの代表としてこのように述べています。
「タイタニック号に乗船していた全ての人々には、語り継がれるべき物語があります。私たちは、100年以上の時を経た今も、彼らの遺品を通して、その物語を語り継いでいるのです。アーサー・ロストロン卿の勇気、そしてタイタニック号で最も大きな影響力を持っていた3人の男性の未亡人たちから彼への敬意の証、それがこの時計です。この時計が故郷へ帰還したこと、それは、ティファニーがこの時計を販売してから112年後、再びティファニーが落札したという事実によって、一つの物語が完結したことを意味しています」今回、この時計のオークションを主催した、ヘンリー・アルドリッジ・アンド・サンのマネージング・ディレクター、アンドリュー・オルドリッジ氏は、このようにコメントしています。
1847年に時計とクロックの販売を開始して以来、ティファニーが育んできた時計製造の伝統。その重要なシンボルと言えるのが、この懐中時計です。多種多様な複雑機構を搭載し、エナメルやエングレービング、ジェムストーンで豪華に装飾された時計を製造してきたティファニーは、1874年、ジュネーブの中心部に自社工房を設立しました。愛と永遠の絆を称えるレガシーを、長年大切にしてきたメゾン。今回、ティファニーのアーカイブにロストロン船長の懐中時計が加わったことは、そのレガシーをさらに強固なものにする、歴史的な出来事となりました。
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