2023.07.13
カテゴリ: コレクション
フェンディ 2023年秋冬 クチュールコレクション
フェンディ(FENDI)は、アーティスティック ディレクター キム・ジョーンズ(Kim Jones)とジュエリー アーティスティック ディレクター デルフィナ・デレトレズ・フェンディ(Delfina Delettrez Fendi)によるフェンディ 2023年秋冬 クチュールコレクションを発表しました。
「今シーズンはクチュール技法ならではの滑らかさ、流動性、そしてフォルムに集中し、これらの要素を現代のアティチュードと結びつけたいと考えました」とクチュールおよびウィメンズウェアのアーティスティック ディレクターを務めるキム・ジョーンズ(Kim Jones)は語ります。「デルフィナ(Delfina)のハイジュエリーをベースにしたテンプレートに取り組みました。ジュエリーを身に着けないルックも、コレクションのカラーパレットや装飾を通して、衣服そのものがジュエリーのアイデアをもたらしてくれます。ブラックダイヤモンド、ルビー、サファイアなどの宝石の色だけでなく、身体色も取り入れてソフトとハード、身体と宝石の戯れが見られます」
「コレクションのジュエリーには、私が抱いている感情的な関係があり、いずれそれを身につける女性たちにもそうあってほしいと願っています」とフェンディ ジュエリー アーティスティックディレクターのデルフィナ・デレトレズ・フェンディ(Delfina Delettrez Fendi)は語ります。「このようなジュエリー、これほどの強さと、意味と、個性を持つ小さな個体を作るには強迫的なまでの情熱が必要です。なおかつ、最終的には、身体と直接的かつ親密な関係を持つのです。それらは女性自身の深遠かつ個人的な延長となっていきます」
今シーズンも、キム・ジョーンズとフェンディのアトリエ職人たちは、クチュールの伝統を、人間味があって親しみやすいもの、ボリューム感がありながら軽く、滑らかで、優美なドレープの着やすいものにしています。「コスチューム」になることを避け、衣服に身を包む女性の主体性という、よりソフトでゆとりのある感覚を受け入れることで、しなやかさが追求され、特に外側のコルセットのモチーフに見られるように、衣服の着用方法における柔軟性と、実際の着用感の両方で表現されています。
コレクションには、複雑さが隠されたシンプルさというアイデアが用いられています。複雑で厳密なパターン裁断によって達成されるボリューム感、ドレープ、彫刻のようなフォルムが特徴となり、衣服はしばしば一つの縫い目だけで出来上がっています。セカンドスキンのようなシルクにおいては声高に主張するのではなく、一枚仕立ての複雑なニットやネオプレンで仕立てたファーや、シェブロンフェザーを飾ったシアリングと並んで、さりげなく華麗な功績が達成されています。究極的には見た目の美しさだけでなく、着ることのリアリティを追求しているのです。
デルフィナ・デレトレズ・フェンディのハイジュエリーへのアプローチにも、精密さとエモーション、リアルさと洗練が共存します。本コレクション初登場となる一点物では、クチュールアンサンブルというアイデアがジュエリーにも拡大されています。時代を超越するとともに、現代についても語る、並はずれたホワイトとイエローのダイヤモンドが、グリーン、オレンジ、ピンクのパパラチアサファイアやスピネルとともに用いられています。「フェンディ ウンダルム(FENDI Undarum)」セットに含まれるピンクスピネルだけでも40年がかりで集めたものであり、天然物を再びそろえることは、おそらくもう二度とできないでしょう。
本クチュールコレクションの控え目で多面的な性質は、衣服とジュエリーの世界を融合させる刺繍技法で最高潮に達します。宝石箱のようなミノディエールを手にしたモデルたちが、ショーの締めくくりに、宝石を散りばめたような装飾や複雑な層を成す同系色のパイエットと石をまとい、ムードを高めます。ラストルックの煌めくローズの輝きを実現するには1200時間もの手作業を要しました。
ショーのサウンドトラックには、クラウス・ノミ(Klaus Nomi)による「コールド・ソング(The Cold Song)」が使われています。作曲家ヘンリー・パーセル(Henry Purcell)の17世紀イギリスバロック音楽の原曲に基づくこの曲は、過去が現在と未来のニュー・ウェイヴの基礎となっており、本コレクション、そしてクチュールそのものの情緒と精緻さを反映しています。
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