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ジャガー・ルクルト 2023年のテーマは「黄金比」

2023年、ジャガー・ルクルトは、φ(ファイ)の文字で表され、美しさを表現すると世界共通で考えられている神秘的な数字にオマージュを捧げます。今では黄金比として知られる比率は、自然界や人間が創造した傑作によって伝えられる、美しさと調和に関する共通の基準であり、人間が本能的に最も美しいと感じる比率です。

近似値が1.618となる黄金比(中庸、黄金分割、黄金数、神聖なる比とも呼ばれる)は、物体の特別な関係性を表しており、大きい部分と小さい部分の比率が、全体と大きい部分の比率に等しくなる比率です。この興味深い数学的な関係は、いわゆる黄金螺旋や黄金長方形にも見られます。黄金長方形とは、長方形から短い辺を一辺とする正方形を切り取ると、残りの長方形の縦横比がオリジナルの長方形の縦横比と等しくなる長方形です。

ジャガー・ルクルトのレベルソは、時計製造において、この原則を最も雄弁に物語っています。アールデコの芸術運動の全盛期であった1931年に誕生したレベルソのオリジナルデザインは、幾何学模様、直線的なフォルム、すっきりとしたラインが強調され、黄金比で成り立っています。誕生から90年以上にわたり、さまざまなバリエーションのレベルソのケースが発表されてきましたが、オリジナルの比率はコレクションの土台であり続けており、今でも黄金比がレベルソのデザインを定義し続けています。

幾何学と美の魅力的な関係

私たちは人間として、生まれつき美しいものに惹かれます。私たちが美しいものを求める理由や美しさの定義、その魅力の基準を測る方法を知るために、何千年もの間、文明は私たちがなぜ美しいものに惹かれるか、その秘密を解き明かそうとしてきました。

レベルソがデザインされた1931年、ルーマニアの王子であり、哲学者であり数学者であったマティラ・ギカは、1927年に執筆した『自然と美術における比例の美学』に続いて『黄金比』を出版しました。 この書籍では、貝の螺旋、花弁の配置、松かさの構造などの身近な有機体の形態とともに、より大きく果てしないスケールの銀河の形状やハリケーンの渦巻き模様など、ファイが見られる多くの例がまとめられています。 『黄金比』はまた、人類の最も美しい創造物にもファイが存在することを示し、建築、芸術、音楽においてファイに隠されてる価値をどのように探求したか説明しました。 また、その謎が、古代ギリシャのピタゴラスの数字から現在まで、どのように途切れることなく伝えられてきたかを振り返っています。 このように、ギカは、美の精神性や創造物全体をつなげる秘密の調和をより深く理解するための扉を開きました。

ジュウ渓谷の山々や古代の森に囲まれているジャガー・ルクルトの時計職人たちにとって、この自然の美しさを創造する言葉と、美しいオブジェクトを創造する人間の能力の確かな関係は、特に重要です。

長い歴史

これらの謎へ問いかけは、マティラ・ギカの書籍より200年以上前の紀元前300年にユークリッドが著した『幾何原本』から始まりました。ユークリッドは、この本の中で「外中比」という言葉を使用し、ファイが書物で初めて定義されました。さらに遡って紀元前6世紀には、哲学者であり数学者でもあったピタゴラスがこの神秘的な幾何学の性質を研究しました。また、紀元前約430年には彫刻家のファイディアスがパルテノン神殿のために制作した装飾品に黄金比を採用したと言われています。

12世紀には、フィボナッチとして有名なレオナルド・ピサロが、自分の名前を冠した再帰関数である数列(0、1、1、2、3、5、8、13、21、34、55、89…)を発表しました。それぞれの数は、前の隣接する二つの数の合計であり、ある数をその1つ前の数で割ると、その商はファイに近似する数になります。驚くべきことに、それは自然の中に見られる黄金螺旋を定義する数列です。3世紀後、天文学者のヨハネス・ケプラーが、黄金比とフィボナッチ数列の明確な関係を明らかにしました。

1498年、ルカ・パチョーリが上梓し、レオナルド・ダ・ヴィンチによる挿絵が使用された『神聖比例論』は、至高の美を実現するために守るべき比率を定め、それ以降のヨーロッパの歴史や芸術の特徴となる必須要素を確立しました。

意図的に、または美しさへの自然な本能から、偉大な建築家や芸術家たちは、はるか昔からこの比率を作品に採用してきました。例えば、ギザのピラミッドやバビロニアのシャマシュのタブレット(紀元前888〜885)、ゴシック建築のシャルトル大聖堂、20世紀の巨匠ル・コルビュジエの作品、また、ラファエロやボッティチェリ、ミケランジェロなどのルネサンスの芸術家たちから、後期印象派のスーラ、その後のサルバドール・ダリやピート・モンドリアン、キュビズムの画家たちのセクション・ドールグループなどです。現在では、一般的なクレジットカードから自動車のデザイン、多くのブランドロゴまで、さまざまな日常品の中にこの比率を目にします。

黄金分割(ドイツ語のGoldener Schnitt)という言葉は、1835年にドイツの数学者マルティン・オームが初めて使用し、心理学者のアドルフ・ツァイジングによって広まりました。彼は黄金分割を「美と完全性を追求するすべての形成要素の基本原理を含む普遍的な法則」と定義しました。

レベルソ2023年新作の発表
 

ジャガー・ルクルトは、Watches and Wondersにて、1930年代初期のレベルソのデザイン比率を決定した黄金比の旗手であるレベルソ・トリビュート コレクションの3つの新作を発表。 

レベルソ・トリビュート・クロノグラフは、1996年に発表された画期的なレベルソ・クロノグラフを称えます。美しく精巧に作られたクロノグラフ機構を裏面から眺められ、表面と裏面の両方に時刻が表示される新しいキャリバー860を搭載する新しいデザインです。

レベルソ・トリビュート・デュオ・トゥールビヨンは、複雑機構を全く新しい外観に収めました。超薄型のデュオムーブメントの中にフライングトゥールビヨンを収め、第2時間帯は裏ダイヤルに表示されます。

4つの新しいレベルソ・トリビュート・スモールセコンドによって、クラシカルなシルバーから深みのあるバーガンディやブラックといったカラーバリエーションのダイヤルがコレクションに加わります。モノフェイス・レベルソのケースを反転させると、クラシカルなクローズドケースバックが現れます。このケースバックは、パーソナライズしたエングレービングや他の装飾の理想的なキャンバスになります。

また、ジャガー・ルクルトは、レベルソ キャリバー179の芸術的表現を再設計されたケースで表しています。ジャイロトゥールビヨンの卓越した技巧や印象的な視覚効果を増幅させるスケルトン加工やラッカー仕上げなど、精巧に作られた装飾的ディテールの数々と共に、レベルソ・ハイブリス・
アーティスティカ・キャリバー179は、マニュファクチュール ジャガー・ルクルトのひとつ屋根の下に集結した180種類もの時計製造技術を気高く表現します。

ジャガー・ルクルトは、女性のためにメティエ・ラール(R)工房に集結した芸術的技巧をさらに強調し、レベルソを新たに解釈した2つの壮麗なモデルによって、境界線のないメゾンの創意工夫と創造性を表現します。

レベルソ・ワン・プレシャス・カラーは、人目を引く2色のカラーバリエーションをご用意し、ケース全体をエナメルとダイヤモンドの幾何学なアールデコパターンで装飾。グラン・フー・エナメルの芸術を視覚的にも大胆かつ独創的に表現しています。

21世紀の女性たちに向けて、レベルソを優雅に身に着ける真新しい方法を提示するレベルソ・シークレット・ネックレスは、コンスタントに変化しながらもオリジナルのデザインコードに忠実であり続けるレベルソの能力を示す壮麗なジュエリーです。ケースの中でダイヤモンドとオニキスがアールデコパターンで全体にセッティングされたこの時計が、ピンクゴールドのリンクとオニキスのビーズで作られたしなやかなチェーンネックレスと組み合わされています。

Watches and Wonders 2023の後、ジャガー・ルクルトは「Reverso Stories(レベルソ ストーリーズ)」のワールドツアーを続け、この記憶に残る魅力的な展覧会を拡大して新たな都市で開催し、黄金比というテーマを通してこの素晴らしいタイムピースの歴史を紹介します。 

jaeger-lecoultre.com 
 
 
 
 
 
 
 
 
    

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