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【ブランド解説】ヴァンクリーフ&アーペル編

●独自モチーフで女性の心を離さない

 パリを代表する五大宝飾店のひとつとして名を連ねる老舗ハイブランドジュエラー。花や蝶をモチーフとした独自のデザインはフェミニンで繊細、エレガントさが特徴的で世の女性を魅了して止まない。そんなヴァンクリーフ&アーペルの魅力を歴史を振り返りながら紹介していきたい。

 ヨーロッパの王族・貴族から絶大な支持を得てきたヴァンクリーフ&アーペルの歴史は、1896年にオランダ出身のダイヤモンド商の息子アルフレッド・ヴァン・クリーフとフランスの宝石商の娘エステル・アーペルが結婚したことから始まる。何代も続く宝石商でダイヤモンド研磨工の血筋を引くアーペルの3兄弟が義兄となったアルフレッド・ヴァン・クリーフとともに彼らの名前を付けたブティックをパリのヴァンドーム広場にオープンさせたのが1906年のこと。「愛・美・夢」といった女性の永遠のテーマをジュエリーに盛り込み、動きのある自然をモチーフにした作品を生み出し続けている。そのコンセプトは100年以上経った今日でも変わることは無く、花や蝶、リボンなどをモチーフにデザインしたものが多く、甘い気品が漂う女性らしい華やかさを印象付けながら、柔らかなラインと洗練のフォルム、独創性と高級感も併せ持つ逸品ばかり。そんなヴァンクリーフ&アーペルを一躍有名にしたのがイラン王妃戴冠式用のクラウンを製作したことであり、モナコ王室御用達ブランドにもなっている。その後もグレース王妃やウィンザー公爵夫人、ジャクリーン・ケネディ・オナシスなど歴史に名を残す女性たちを飾り語り継がれてきた。

世界の王侯貴族やセレブリティに愛されるのには相応の理由があり、そのひとつが技術力の高さ。特にミステリーセッティングと呼ばれる独占特許を取得している技術が光る。これは石を支える爪部分を表面から見えなくするという高度な技巧でジュエリーをより華やかで芸術性のあるものへと昇華させることを実現している。また、これまで全ての商品が職人による手作りであり1点物の高価な商品ということが大きな特徴でプレミアムな価値を高めてきたが、1954年により多くの女性に門戸を開くべく1点物のハイジュエリーとは別に、クオリティを維持しながら価格を抑えたブティックラインを発表。伝統を守りながら斬新なアイデアを融合させたデザインに多くの女性達が心をときめかせ、結婚を控えるレディの必須ブランドとして存在感を強めている。

ヴァンクリーフ&アーペルと言えば「アルハンブラ」が人気アイコンとしてお馴染みだが、その誕生は1968年のこと。幸せを呼ぶと言われる“四つ葉のクローバー”をモチーフにデザインされ「愛・幸運・富・健康」の願いが込められている。そして2001年にはイエローゴールドに白蝶貝やオニキスを組み合わせた「ニューアルハンブラ」シリーズが発表されている。商品もネックレス、ブレスレット、リング、ピアス&イヤリングと豊富で充実したラインナップで多彩な表情を見せてくれる。ロマンチックな愛らしいモチーフながら甘すぎることなく大人の女性の魅力を引き出してくれ、どんなスタイルにもマッチする。

 高級宝飾ブランドのイメージが強いが1949年から腕時計、1976年からは香水の生産も行っている。どちらもハイジュエラーの名に恥じない高貴で気品溢れる作品に仕上げられており女性の魅力を引き立たせることに一役買っている。1999年にはスイスのリシュモングループ傘下に入り、クロエとのコラボレーションによるコレクションを発表するなど新たな可能性を見出すなどして成長を続けている。

ヴァンクリーフ&アーペル https://www.vancleefarpels.com/jp/ja.html

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