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【ブランド解説】エルメス編

●世の女性を魅了する最高峰の存在

 世界中の女性が憧れて止まない垂涎の的となるエルメス。175年の歴史に培われ進化を遂げてきたエルメスの魅力を数々の逸話とともに振り返ってみたい。

 エルメスと言えばバッグを中心とした革製品からシルク素材のアパレル、時計やアクセサリーまで扱う誰もが知っているハイブランドだが、そのルーツは1837年にまで遡る。ティエリ・エルメスが36歳でパリのマドレーヌ地区に高級馬具の製造工房をオープンさせたことから始まる。素材や縫製など品質の高さからナポレオン3世やロシア皇帝などヨーロッパ王侯貴族に愛され発展する。しかし、時代の流れとともに生活様式にも変化が表われ、馬車から自動車へと移行していき、エルメスも大きな決断を迫られることになる。そしてティエリの孫にあたる3代目社長エミール・モーリス・エルメスが下した決断は大きな方向転換、事業の多角化であった。まず最初に手掛けたのは馬具製作の技術を基にした鞄や財布の製造と販売。1892年にエルメスとして初めてのバッグ「オータクロア」を製作。これは鞍を入れるための鞄として誕生したが、旅行鞄としても利用され重宝がられた。さらに働く女性が増加傾向にあったことから婦人用バッグの需要を見出し発案することでヒットへと結び付くことになる。1923年には世界で初めてファスナーを採用したバッグ「ボリード」を発表し、新しいエレガンスの象徴として注目を集め人気を博した。

 その後もエミールは1927年に腕時計、1936年に香水、1937年にはスカーフ、と多彩なアイテムを展開し、それらの商品のデザインから製造・販売まで全てを手掛ける会社へと成長させていく。ちなみに今日ではお馴染みとなったエルメスのマーク「四輪馬車と従者」を商標登録したのもエミールの時代で1945年のこと。モチーフとなったのは19世紀のフランス人画家、アルフレッド・ド・ドルーのリトグラフで「エルメスは最高級の品物は用意しますが、それを御すのはお客様自身」というメッセージが込められている。またオレンジ色の包装紙が使われ始めたのも同時期。

 1951年には4代目社長にロベール・デュマ・エルメスが就任し飛躍の時代を迎える。1978年に5代目としてジャン・ルイ・デュマ・エルメスが社長となり、更なる躍進を果たす。同時にこの時代にはエルメスを代表する傑作バッグが誕生している。1935年に発表されたオータクロアを小振りにしたサック・ア・クロアが、ある出来事をきっかけに「ケリー」と名前を変え一世を風靡する人気モデルとなる。その出来事とはモナコ王妃だったグレース・ケリーが持っていたサック・ア・クロアで妊娠中の腹部をパパラッチから隠したこと。王妃の愛用品ということもあるが台形フォルムのハンドバッグはフォーマルな装いの美しいデザインを持ち、高貴なる現代のシンデレラバッグと言えよう。ケリー同様に圧倒的な人気、知名度を誇るのがバーキン。こちらもオータクロアがベースとなっており5代目社長のデュマが飛行機の中で偶然に隣り合わせた女優ジェーン・バーキンのために「何でも入れられてラフに使えるバッグ」を作り名称もバーキンとされた。これが1984年のことである。ケリーもバーキンもサイズやマテリアル、カラーなど多種多様なバリエーションを持ちスタイルやシーンに合わせた選択が可能となっている。

 その後もエルメスは新商品の開発に積極的でカジュアルテイストやユニークモデルなども発表し常に話題を呼んでいる。長年に渡って培われた伝統と実績の上に、進化を求め革新を追求していくエルメスに今後も目を離せない。そして女性の永遠の憧れであり続けることに変わりはないだろう。

エルメス公式サイト http://www.maisonhermes.jp/

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