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【ブランド解説】オーデマ・ピゲ編

●創業者一族によって経営が続けられるスイス最古のブランド

 奇跡の手と呼ばれる熟練の伝統技術と最高のレベルの開発力を持ち、世界3大時計ブランドのひとつに称されるオーデマ・ピゲ。創業者一族によって経営が続けられるスイス最古のブランドであり、至高のマニュファクチュールとして君臨する。そんなオーデマ・ピゲの実力を歴代モデルとともに検証してみたい。

 時計職人の家計に生まれ英才教育を受けてきたエドワール・オーギュスト・ピゲと農場を営む家に生まれながら時計工芸家の道を選んだジュール・ルイ・オーデマは幼なじみであり、お互いの時計に対する情熱や技術に共感して協力関係を結び、二人で複雑時計の開発に取り組むことを決意。1875年に高級時計発祥の地であるジュウ渓谷でマニュファクチュールとして始動する。そして1882年には二人の名前を冠したオーデマ・ピゲを正式に商標登録して複雑時計の製造に本格的に取り組み、世界初のグランコンプリカシオン懐中時計を開発。この時計にはミニッツリピーターや永久カレンダー、ムーンフェイズ、スプリットセコンド・クロノグラフなどの機構が搭載されていた。更なる複雑時計の研究が進められ1889年のパリ万博に出品された「グランコンプリカシオン」は600個以上のパーツを手作業で組み上げた超複雑時計で、その圧倒的な完成度からオーデマ・ピゲの技術力は“奇跡の手”と称賛され、歴史的な傑作として今日にまで語り継がれている。現在ではパテック・フィリップ、ヴァシュロン・コンスタンタンと並んで世界3大時計ブランドのひとつとして数えられるほどの名門に成長。

 腕時計においてもオーデマ・ピゲの複雑時計のスペシャリストとしての実力は揺るぎ無いもので1892年には世界で初めてミニッツリピーターを搭載した腕時計を開発。他にもムーンフェイズ付きフルカレンダー、ジャンピングアワー、クロノグラフなどを数多くの機構を世界初として発表している。まさにコンプリケーションでは独走状態と言える存在であった。しかし、戦後になってからは複雑時計に代わってエレガントな薄型時計に主軸を置くことになる。1946年には厚さ1.64mmしかない「キャリバー9ML」を発表、世界最薄の腕時計用手巻きムーブメントを完成させ、50年代から60年代のドレスウォッチ全盛の時代をリードしてきた。そして1972年、時計界に衝撃を与えた傑作「ロイヤルオーク」を発表。20世紀最高の時計デザイナーとの呼び声が高かったジェラルド・ジェンタがラグジュアリースポーツウォッチという新機軸の基にデザインを担当。この時計の革新性は、高級時といえばゴールド素材が当たり前であった時代においてステンレススチールをケース素材に採用したこと。船の舷窓をモチーフにした八角形のベゼルと8個の六角形ビス、ケースとブレスレットが一体化した特殊構造などが特徴的であり印象的。さらに薄型ながら50m防水も実現している。当初はあまりの斬新かつ大胆なデザイン故に戸惑う人も多かったというが、それはライフスタイルをエンジョイする人々のためのラグジュアリースポーツウォッチという現代の先端的なコンセプトを先取りしたものであり、今日ではオーデマ・ピゲのフラッグシップシリーズに位置付けられる人気モデルとして世界のセレブリティを魅了し続けている。

 21世紀に入ってからは大胆な横オーバルケースが特徴的なミレネリー、潤滑油が不要でパワーロスを制御し耐衝撃性に優れるAP脱進機の開発、超軽量で高硬度の特殊鍛造素材フォージドカーボンの採用などデザイン、設計、素材といった様々な角度から革新的なコンプリケーションの開発に取り組み、その実力を遺憾なく発揮している。

オーデマ・ピゲ https://www.audemarspiguet.com/ja/

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