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【ブランド解説】グッチ編

●経営難などを乗り越えトップブランドへ成長

 イタリアを代表するファッションブランドとして広く愛されるグッチ。グッチならではの魅力が詰め込まれた数々の代表作と名品を紹介しながら、その歴史を振り返ってみたい。

 現在ではバッグや財布、靴などの皮革製品を始め、衣類を中心としたアパレル、宝飾品や時計といったアイテムを取り扱うトータルファッションブランドとして知られているが、そのスタートはイギリスから輸入したレザーバッグの販売・修理することから始まっている。創業は1921年のことで麦藁帽子を製作する工房に生まれたグッチオ・グッチがフィレンツェに鞄工房を開いたのが始まり。企業理念に「最上の伝統を、最上の品質で、しかも過去の良い物を現代に反映させる」を掲げて数々の人気作をリリースする。1930年代に馬具の轡と鎧をモチーフにしたホースビット金具、1947年に革の使用を節約するためハンドルに竹素材を使用したバンブーバッグ、1950年代にはグリーン/レッド/グリーンのシェリーラインと呼ばれるウェビングリボンを発表し話題を呼ぶ。これらのデザインは今日にも継承されるアイコンとして人気は健在。またイニシャルであるGGロゴを採用し、品質を保証するためにデザイナーの名前を入れたダブルGのモノグラムを世界で初めて販売。40年代後半にロンドン、50年代にニューヨークとロサンゼルス、60年代にはバンクーバーや東京、ケープタウンと海外市場に進出を果たす。グッチオの三男がハリウッドで映画関係の仕事をしていた際にグッチの製品が映画の小道具として使用されたことがきっかけでアメリカ女性の間で評判となり、エリザベス・テーラーやオードリー・ヘプバーンといった大物ハリウッド女優、さらにはジャクリーン・ケネディら世界のセレブリティたちの御用達ブランドとなり絶大なる人気を誇った。

 そんな順風満帆に思われたグッチだが、1953年にグッチオが他界してから状況が一変する。グッチオの長男アルドを中心とした4人の息子によって経営されることになる。最初のうちは皮革製品だけでなくビットモカシンやレディースウェア、香水など商品ラインナップも広げて順調に成績を伸ばしていくが、80年代に入ってから親族間でグッチの運営を巡って骨肉の争いが起きてしまう。グッチブランドとしての勢いも低迷し、破綻さえ噂されるほど経営は悪化していた。修復や回復の様々な手立てを講じるも、なかなか成果を得ることができない。1990年にマーク・ジェイコブスが率いる「ペリー・エリス」に在籍していたトム・フォードを招聘して再起を目指し、91年にウェアコレクションを復活させる。スタイリッシュなコーディネートとゴージャスな素材使いでイメージを大幅に刷新することでグッチブームを再燃させることに成功。しかし、それまでのダメージが大きすぎたため復活とまではいかず、1993年にインベストコーブ社に全ての株を譲渡し、70年に及ぶファミリー企業としての体制に終止符を打つ。その後も再建に向け紆余曲折ありながら、現在グッチ・グループはサン・ローランやボッテガヴェネタ、バレンシアガを系列に持つ“ケリング・グループ”の中核を担いグローバルな展開を見せている。ちなみにケリング・グループとはフランスの流通大手企業PPR(ピノー・プランタン・ルドゥート)のことで2013年に社名変更している。

 これまでは落ち着いた大人のイメージが強いブランドであったが、近年は丈夫なGGキャンバス素材や愛らしいGハート金具、犬や猫のキャラクターなどをデザインに取り入れたカジュアルなアイテムを数多くリリースしており、年代や性別を問わず人気を博している。

グッチ公式サイト https://www.gucci.com/jp/ja/

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